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任意整理
任意整理とは
任意整理とは、多重債務に陥り約定通りの返済が困難となった場合に、裁判所を介さずに直接債権者と交渉することによって債務者の生活を立て直していく手続きです。
わかりやすく言うと、サラ金会社等の債権者と交渉して借金を減額してもらい、あなたが支払い可能な額を月々返済していく旨合意する手続きです。
任意整理の流れ
受任通知・開示請求
弁護士が各債権者に対し依頼者から債務整理を受任した旨通知し、併せて取引履歴の開示を請求します。
取引履歴の取得、引き直し計算
債権者から開示された取引履歴に従い利息制限法に従った引き直し計算を行います。これにより、返済すべき残債務の額又は過払い金の額が判明します。
手続選択
判明した残債務の総額又は過払い金の総額を前提に、任意整理を行うということで方針を決定します。(※)
和解交渉
各債権者に対し、残債務がある場合はその減額を求め、過払い金がある場合はその返還を求めます。このとき、残債務がある場合は返済時期や回数、月ごとの金額などについて、過払い金がある場合は支払い時期や返済額などについて、依頼者の意思確認を行いながら交渉を進めます。また、過払い金については訴訟を提起することもあります。(※)
和解契約締結・契約書作成
残債務がある場合は返済額や期間等、過払い金がある場合は返済額や返済時期等について債権者との間で合意が得られれば、かかる内容について和解契約を締結します。
支払開始
残債務がある場合は決まった和解契約の内容に従って返済を開始し、過払い金がある場合は債権者から過払い金の返還が行われます。
(※) 借金の総額から返済が困難である場合や、和解交渉において債権者の協力が得られない場合などには、個人再生や自己破産に移行する場合があります。
任意整理のメリット
業者ごとの個別の依頼が可能である
例えばカーローンとサラ金会社からの借り入れがある場合に、サラ金会社からの借金だけを任意整理すれば、自動車については利用し続けることができます。
裁判所を介さないで手続が可能である
支払原資を確認する資料を厳格にそろえる必要がなく、また出頭が不要で負担が少ないなどのメリットがあります。
過払い金の先行回収が可能である
任意での返還を求めることから、裁判に比して早期に過払い金の返還を受けることができます。
残債務の返済方法が弾力的に組める
返済期間や返済金額などを、事案に応じて柔軟に定めることができます。
専門家が代理人として交渉にあたる
一般の方と貸金業者の間には法的知識や所持している情報などの点で圧倒的な差がありますが、弁護士に依頼する事で対等に交渉していくことができます。
家族や会社に内緒で問題を解決できる可能性がある
裁判所を介する手続と異なり、家族の収入に関する資料などは不要ですから、家族や会社には知られないまま手続を行っていくことができます。
資格制限がない
自己破産については一部の職業について資格制限がありますが、任意整理にはそれがありません。
任意整理のデメリット
債務者の協力が得られない場合が考えられる
あくまでも債権者との合意で債務を減額してもらう手続ですから、債権者の協力が得られない場合、手続は頓挫してしまうおそれがあります。
原則として利息制限法の範囲内でのみ減額する
分割払いの場合、引き直し計算後の元本について更なる減額はほとんど行われていないのが現状であり、個人再生に比べると債務の圧縮率が低いです。
いわゆるブラックリストに載る
他の債務整理手続と同様、事故情報として登録されます(ブラックリストに載る)。