交通事故被害の解決事例
依頼者Aさん(36歳男性 熊本市在住)の車が交差点で右折のため停止していたところ、対向車線をバイクで走行していた相手方Bさんが運転操作を誤り、スリップし、Bさんの身体がAさんの車に衝突し、これにより車修理代約20万円の損害を被った事案。
Aさんは本件事故は停止中の車にBさんが衝突したものであり、Aさん側に非はないとして、修理代の全額賠償を求めていました。そして、Aさんは保険に加入していたことから、保険会社がBさん側との交渉にあたっていました。
しかし、Bさんは未成年であったところ、Bさんは事故当初から自らの非を認めていたものの、Bさんの父親であるCさんが全額賠償に納得せず、交渉が難航していました。Cさんの言い分では、交差点における事故では通常双方に非があることから、一方的にBさんに非があるとするのはおかしいこと、Bさん側も本件事故により治療費、バイク修理代を負担していることから、Aさん側の修理代を全額負担することには納得できない、とのことでした。
保険会社とCさんとの交渉はうまくいかず、事故から約半年が過ぎてしまったことから、早期解決の望むAさんの意向を受け、保険会社の方から当職に依頼がきました。
まず、Aさんに事故報告書等の本件事故の資料を持ってきて貰い、Aさんの話を聞いて、本件がAさん側に非のない事故であることを確認しました。続いて、Aさんと保険会社に今までの交渉経緯等を詳しく確認しました。
その結果、CさんはAさん側の要求に応じないものの訴訟をしてまで争う意向ではないことが分かりました。また、Aさん側の事情として、本件事故に遭った車は近々下取りに出す予定のものであり、本件事故により下取り価格が下がってしまったこと、修理代は現在、下取り業者が肩代わりしており、全額賠償してもらわないと下取り業者に迷惑がかかってしまうこと、が新たに分かりました。そして、以上のAさん側の事情はCさんには伝えられていないとのことでした。
以上の事情を踏まえ、当職はBさん側との交渉にあたりました。まず、Aさん側の全額賠償を求める意向に変わりがないことと当職が代理人に就いたことを知らせるため、Bさんの親権者であるCさん宛に修理代の支払いを求める旨の内容証明郵便を送りました。
その結果、Cさんから当職に連絡がありました。当職は上記Aさん側の事情から全額賠償は譲れないことを明確にしつつ、下取り価格下落分はAさん側が譲歩していること、Aさんは事故から約半年もの間待たされていること、といったAさんの立場を理解してもらうべく、Cさんと電話で20分程交渉しました。その結果、CさんはBさんと話し合った上、分割払いで全額弁償に応じる意向を示してきました。
当職はAさんにかかるBさん側の意向を伝え、分割払いについて了解を得つつ、未成年であるBさんの弁済能力の不安を払拭するため、Bさんの父親Cさんと母親Dさんに本件について連帯保証人になることを了解してもらいました。
以上より、本件は「修理代を分割払いで全額賠償、CさんとDさんが連帯保証する」という内容で示談が成立しました。本件は、示談成立直後にBさん側が、長期弁済の煩わしさから、一括払いを申し入れてきましたので、示談成立の月に完全解決することとなりました。
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